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12 二人のおじいさん

「人生はな、辛いことのほうが多いんだ」

と語るKさんは80歳。

片岡千恵蔵に似ていて、毒舌家。豪放磊落(ごうほうらいらく)で眼光鋭い。

「北島三郎がまだ駆け出しのころからの兄貴分」だそうである。

僕が歌っている間中、ベッドから半身を起こして聴いてくれた。

今日は「すずかけの家」という宅老所の誕生会だ。

船員をしていたそうで、昔は中国やいろんなところへ行ったそうである。

子供のころにお母さんと生き別れたせいか、僕がお母さんの歌を歌うと、

「お袋に会いてえよ~」と大泣きするので、目下お母さんが出てくる歌は自粛中。

「おめえ、いつもはどこで歌ってんだ」

「ええ、ここらへんとか、都内とか、いろいろです」

「スポンサーはついてるのか」

「まあ、このご時勢ですからね。企業もなかなかお金なんてだしてくれませんよ」

「みんなそれをいう。だが誰だって儲かると思えば金をだすのよ。

もっと自分を売り込め。

人生、いいことより辛いことのほうが多いんだ。いいか、くじけるなよ」

僕はKさんのお説教を食らうのが楽しみでしかたがない。

一方、Sさんは90歳。

普段は、やたらでかい声で「おう!」とか「あんだって?」とか言ってばかり。

だが実は、すずかけの家一番の歌手なのである。

「別れの一本杉」が十八番。でも必ず歌詞を変えて歌う。

「♪鳥屋(とや・地元津久井の地名)のか~けすも泣いて~いた」

今で言えば「宴会部長」のような役回りだったのかもしれない。女性コーラスグループを結成したり、地域の文化振興のために随分尽力したそうだ。

ご家族が「芳晴さんがここへ来て歌ってくれてから、よく歌うようになったんですよ」と言ってくれた。

今日はSさんのために、演歌は得意でない僕が特別に「別れの一本杉」を初披露。

盛り上がりで「鳥屋のかけすも泣いていた」とみんなで歌うはずだった。

ところが、その段になるとSさんは

「♪山のか~けす~も 泣いて~いた」

と初めて、普通にオリジナルの歌詞を歌ったのだ。

最高に淡々としたその歌いっぷりに、みんな肩透かしを食ってしまって大笑い。

「ハッピーバースデートゥーユー!」

すずかけの家は古民家を改造して作った小さな家。建物もスタッフも暖かい。

今日は二人のおじいさんが、またひとつ歳を重ねた。

しかし二人とも、自分は60歳くらいだと思っている。

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☆芳晴ライブのお知らせ☆

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間近です!

2010年8月28日(土) 芳晴ソロライブ in 八王子ふらっとん

藤野に最も近い都会(笑)八王子で、芳晴のソロライブ。

優しさあふれるシンガーソングライターとしての作品や、

みんなも知っている童謡を芳晴アレンジで聴かせます。

もちろん二胡も泣きますよ!

出演 芳晴(Vo, 二胡, ギター,他)

①19:30~

②21:00~

charge ¥1500

 ライブ酒場 ふらっとん

〒192-0081 東京都八王子市

横山町8-9セイシンビルⅡB1

Tel (042)642-6205

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2010年9月11日(土) 芳晴ライブ in 新小岩チピイ

2ヶ月ぶりのチピイライブです!

出演:

芳晴 (歌 ギター 二胡 他)

平方元 (キーボード 歌)

①20:00

②21:00

③22:00

music charge ¥2000

music bar CHIPPY

東京都江戸川区松島3-15-10 2F

Tel  03-3653-1253

総武線新小岩駅からアーケード商店街をまっすぐ、徒歩10分。

★★★ 芳晴(よしはる) Yoshiharu Endo ★★★

mailto:  endo-yoshi@brown.plala.or.jp

website: http://www14.plala.or.jp/yoshiharu-e/

〒229-0206 神奈川県相模原市藤野町牧野1492

050-5538-6532

 

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